勉強方法と使用した参考書の紹介
お久しぶりです。今回は東工大の受験勉強に使用した参考書と、どのように勉強したのかについて書いていきます。これらは科目別に紹介し、その科目の中で時系列順に書いていきます。英語は参考にならないと思うので書きません。(英弱
①数学
編入を目指す高専生ならば第一に取り掛かるのが数学かと思います。私が実際に受験勉強を始めたのが三年次の12月頃でした。今あるのかわかりませんが、高専3年生は冬に数学と物理の到達度試験がありました。その試験のために授業内容を復習していました。
そこで、いきなり 大学編入のための数学問題集 に取り掛かりました。しかし、難しくて解くのに時間がかかりました。解き終わったのは4年の4月ごろだったと思います。
普通は 編入数学徹底研究 などから取り組むべきでしょう。
4年の夏ごろまでは ベクトル・行列・行列式 徹底演習 を解いていました。この本は結構良いと感じました。そこまで難しくなくていい感じです。
そのあと、夏休み中で 編入の微分積分徹底研究 と 編入数学過去問特訓 を解いていました。
そのあとは数学から離れ、最後に試験直前に過去問を5年分解きました。
東工大の編入の数学は計算量が多いだけなので数学にあまり時間を使いすぎるのはもったいないと思います。
おすすめの数学参考書 ☆>◎>〇
☆編入数学徹底研究
数学の基本が確認できます。章末問題は難しいので最初は飛ばすのもありだと思います。全部はやってません。
☆編入数学過去問特訓
実際の試験問題が紹介されているので参考になります。この本から取り組むのはやめましょう。
個人的にはめちゃくちゃよかったです。編入数学徹底研究よりも微分積分が詳しめに取り上げられていて初めてやるのにちょうどいいレベルです。
☆ベクトル・行列・行列式徹底演習
線形代数の入門として結構いい感じです。これやるだけで基本が身につきます。これも初めから取り組むのにちょうどいいと思います。解説が少し気になりますが
〇大学編入のための数学問題集
この本は、解説に半分以上のページが使われているので解説読むだけでも勉強になります。高校生が使うようなテクニックも身に付けることができていいかと思います。この本から取り組むのはやめましょう。(A、Bなら何とかなる)
物理
そこまで物理を意識してこなかった高専生にとってはそれなりに対策が必要と思います。また、私の学科では高校範囲の電磁気学すらなかったので非常に大変でした。黄色い本に取り組む前に計算力はつけておきましょう。最低限の数学に基本ができていないと理解するのに時間がかかります。とはいえ、一度取り掛かるのも重要だと思います。
4年の4月から高校範囲の物理の対策を始めました。物理のエッセンスを用いて力学、波動、熱を復習しました。当時はどうやっても電磁気がわからずマジで泣いていました。高校範囲の電磁気がわからなかったのでろくにやってません。5月には電磁気以外終えました。
6月から 演習力学 と 電磁気学演習 に取り掛かりました。しかし、はじめて挑む大学課程の物理が全く分からずに本当につらかったです。ほとんど回答を写すような形で夏休みが終わるまでには2周ずつ解きました。この時点でようやくわかるようになってきました。夏休み中には 熱・統計力学演習 瀬川著という黄色い本もやりました。
11月からは 基礎物理学演習 という共立出版の青い本をやり始めました。(黄色じゃないやつ)2月ごろには力学と電磁気学を終わらせてそれ以外は解いてません。
以降は色々な大学の過去問を解いてました。
いい感じの過去問がなくなってきたので5年になってからは 例解電磁気学演習 をやったりしてました。
色々書きましたが、使用した参考書があまりにも多いので後でわかりやすくまとめます。しかし、上に書いてある本は結構いいと思います。どれも2回くらいは解きました。黄色いほうの基礎物理学演習はあまり好きじゃなかったです。
最初は物理が苦手でしたが、こんだけ参考書読んだので試験前は結構自信持っていました。個人的には沢山の問題に触れたほうがいいと思ってます。
化学
化学系の学科に所属していない人が最も頭を悩ますのが化学です。東工大の化学は初心者からすると結構ハードル高いです。しかし、実は勉強すれば結構点数を稼げる教科です。東工大を第一志望にしている人は必ず時間をかけて対策しましょう。
私は高校生用の参考書から取り掛かりました。4年4月に 化学の新研究 を読み始めました。しかし、難しくまた詳しすぎる面があったため半分程度読み進めてやめました。半分読むだけでも結構高校化学の概要がつかめます。この後 ブラディ一般化学上 をよみました。結構わかりやすいです。しかし下のほうは途中までしか読んでいません。
夏休みは 福間の無機化学 と東京書籍の高校生用の問題集を解いて有機化学以外の高校範囲をあらかた解けるようにしました。
冬には化学系の友人にマンツーマンで有機化学を教えてもらいました。このとき マクマリー有機化学概説 をアミンまでやりました。冬休みにはその内容をすべてノートにまとめ、復習しやすいようにしました。冬休み終了後に、物理化学や量子化学を必要なところだけ勉強しました。物理化学では ベーシック物理化学 がおすすめです。量子化学は何をやったか覚えていません。
5年の春休みには 有機化学演習 基本から大学院入試まで を解きました。
4月からは過去問を15年分解きました。先生に添削をお願いしてました。正直、過去問を解きながら新たに学ぶことがたくさんあって無理やりでも解いてよかったです。この時は、たくさんの参考書を見ながら1年分に半日くらいかけて自力で解いていました。
その後、もう一度過去問を解きなおしました。ほかにもいろいろな本を使いましたがあまり意味はなかったです。
化学もたくさんの本を使用したので時間があるときにまとめます。
こちらのサイトでも高専生向けの丈夫を発信していますので良ければご覧ください。
令和2年度東工大編入学試験体験記
こんにちは。この記事では8/20,21に行われた東京工業大学の3年次編入学試験の様子について書いていきます。なお、この記事では当日の様子を伝えることを目的とし、勉強の方法については別の記事で書きます。また、現在合否はわかりません。(8/24現在) 合格してました(9/10)
高専生のために以下のサイトで役立つ情報を発信していますので気になる方はご覧ください
8/19
この日は試験前日です。早めに東京に着いたのでスターバックスの中で勉強していましたが全然集中できませんでした。
四時ごろに同じく編入試験を受ける友人達と東工大に下見に行きました。暑すぎて死んでました。この日はすぐに解散し、ホテルに向かいました。すぐに色々と済ませて寝てしまおうと横になりましたが、なかなか寝られずに結局10時ごろまで勉強してました。緊張しすぎて結局寝たのは1時ごろでした。
8/20
この日は試験1日目で、数学、物理、化学の順に試験が行われました。
当日は6時半ごろに起床し、少し勉強をしてから東工大に向かいました。
試験会場に入った時、すごく静かで勉強してる人が多数いたので衝撃を受けました。また、受験特有の周りの人が頭良さそうに見える現象に陥っていました。入室してから10分くらいドキドキしていましたが、その後は吹っ切れて机の上に突っ伏してました(勉強しても全然集中できなかった)
9:30に数学の試験が始まりました。
終わり次第昼休憩で友達と軽く話し、その後は13:00から物理、15:00から化学を受験しました。試験の出来と内容は後に記します。
この日は試験終了後に友人とラーメンに行きました。美味しかった!知らないおじさんが奢ってくれて感激してました笑
8/21
2日目です、この日は英語と面接でした。
私は英語がすごく苦手なので逆に気楽でした。もう淡々と解いていきました。
午後からは面接です。学科や系ごとに面接控室に集合し、その後に受験番号順に面接が始まります。面接の内容と雰囲気も後に記します。
終了後は特に何もなく解散でした。面接室を出て5秒でツイートしました。最高の気分でした!
試験の内容と出来
数学(120分)
[1]
任意の実数a,bを含む連立一次方程式の問題
(1)bが任意であるときに解を持つためのaの条件
(2)その時の解を全て求める
これは場合分けをするのも面倒でなく、簡単だったと思います。
[2]
異なる三次正方行列A,Bに関する対角化の問題
(1)Aの対角化行列を求める
(2)Q^(-1)AQとQ^(-1)BQがどちらも対角行列になるQを求める問題
(2)がわかりませんでした。
[3]
f(x,y)のD=[-a<=x<=a, -a<=y<=a] ただしa>0 における最大値を求める問題
初めてみる問題でビビりました。しかし順を追って解いていけば解けました。
最初にf(x,y)の極致を求め、そこからf(x,y)の極大値とf(a,a)の値を比較することで場合分けをして解くことができたと思います。
[4]
少しめんどくさい重積分でした。なかなか計算量がありました。領域が|x|+|y|<=π で与えられているので場合分けをして絶対値を外しながら変数変換を行い、何回も積分していく感じでした。しかし、最後は割と綺麗な形の解になりました。
数学は全体としては例年通りの難易度だったかと思います。全体の出来は8割以上はできたかなという感じでした。
物理(90分)
[1] 力学
メトロノームの問題でした。
棒の中心からズレたところに回転軸があり、軸から少し上のところにmの質点、下方の端っこにMの質点があるようなモデルでした。
中心が回転軸でなく、またmの質点が端っこではなく中途半端なところにある感じです。
さらに棒にも密度が存在し軽い棒ではありませんでした。
(1)この系の重心を求めよ
回転軸を原点とした際に重心の座標を求める問題でした。
まず棒だけの重心の座標(原点が中心ではないため)を求めてから重心の公式
Σmixi=全質量×系の重心
を利用することで解けました。
(2)原点の周りに働く力のモーメントを求める問題
棒自身の重力が力のモーメントに寄与することに注意することで簡単に解けます。
(3)原点の周りの慣性モーメントを求める問題
まず棒だけの重心の周りの慣性モーメントを求めてから、平行軸の定理によって原点の周りの慣性モーメントを求めました。そこから質点の慣性モーメントを足し合わせることで求めることができました。
以降の設問では棒の密度を無視して良い
(4)回転の運動方程式を記せ
そのままです。先ほど求めた慣性モーメントを棒の密度を考慮しない物に直して解きます。
(5)単振動の周期を求める問題
(4)の式を変形するとすぐにわかります。
(6)振動の周期を長くするためにはmの質点をどう動かせば良いか
何を書けばいいのかよくわかりませんでしたが、適当に書いておきました。普通に先端の方に動かせばいいと思ったんですけど、何か引っ掛けがあったかもしれません。
[2]電磁気学(苦手なので簡潔に書きます
円柱と円筒からなる系に対して色々操作を行う問題でした。
(1)それぞれに電荷を与えたときの電場
ガウスの法則使うだけでした。
(2)そのときの静電エネルギー
計算がめんどくさかったです。
(3)円柱と円筒を導線でつなぎ電流を流したときに発生する磁束密度を求める
アンペールの法則ででます
(4)そのときの自己インダクタンス
磁束を求めてインダクタンスを導出します。
計算があってるか不安
(5)導線を取り外し、円柱と円筒の隙間に抵抗率ρの抵抗体を詰めたときの電気抵抗
まったくわからん
(6)時間で変化する磁束密度を与えたときに発生するジュール熱
全くわかりませんでした。
[3]熱力学
1モルの単原子分子理想気体について色々と操作を行った際の内部エネルギー変化、吸収熱、外部への仕事を求める問題でした。
おそらく単原子分子理想気体と指示をされているのでU=3/2RTを使って良いと思いました(使わないと解けなさそうでした)
(1)定圧変化
(2)断熱膨張
(3)等温変化
(4) (1,2,3)で求めた内部エネルギーの変化量に対して大小を比較する問題
(5) (1,2,3)で求めた外部への仕事量に対して大小を比較する問題
(6)(1,2,3)のそれぞれの過程でのエントロピー変化を求める問題
全体としては去年に比べると易しいと感じました。機械科が有利な問題だったかもしれません。3問目がまたしても熱力学だったのは本当に助かった。
出来は7割くらい?
化学(90分)
問1
色々な記述をヒントに元素記号を答える問題
結構解けたと思います
問2
難容性塩の水中での解離平衡に関する問題
溶解度と溶解度積の違いが問われていた。
また、溶解度から溶解度積を求める問題や、溶解度積から沈殿が生じるがどうかの判断をする問題があった。
おそらく完答できたと思います
問3
ほとんど熱力学で非常に簡単でした。
問4
量子化学に関する問題
3つの量子数の名前を答える問題から始まり、リュードベリの式を用いて水素原子のイオン化エネルギーを求める問題がありました。
最後に、動径関数から動径分布関数を求めて最大確率を与える距離を求める問題があったが意味不明でした。
最後以外は解けたと思います
問5
求核置換反応に関する語句問題
アルケンに付加反応を行った際の条件を満たすアルケンの数を求める問題
アルケンの異性体の数を間違えてしまったので以降の問題が間違ってしまったが、丁寧に記述したので部分点が入るはず(化学は部分点がある)
問6
さまざまな有機化学
シスデカリンやトランスデカリン、シクロヘキサンの最も安定な立体配座を書く問題
ジアゾ化から始まる反応の生成物を記す問題
その生成物が酸性中でどのような構造をとるのか書く問題
立体配座とジアゾ化の最初の生成物しかわかりませんでした。結構難しいと感じました。
全体としては去年と同じくらいだと思います。アルケンを間違えてしまいましたが7割はいったと思います
英語(90分)
[1]マジックを見たときの子供と大人の考え方の違いや、それが成長に与える影響などに関するテーマでした
[2]カンガルーの発祥に関する問題
英語は前年度に比べたら簡単ですが、まあいつも通りだったと思います。
半分取れてたらいいなくらいです。
面接
先生は2人いて向かい合うような形でした。
終始、和やかな面接でした。
以下、聞かれたことをまとめます。
・試験の出来
・志望理由
・行きたい研究室(第一志望以外にも聞かれる)
・高専で頑張ってきたこと
・入学した場合に2年で卒業できないケースもあるがそれでも入学するのか
以上です。これから受験する人は頑張ってください。
こちらでも情報を発信しています。
自己紹介とスペック
はじめまして。私は令和2年度の東工大編入学試験を受験しました。
東工大の体験記を書く前に、自己紹介と各学年での状況を説明します。
学科:機械工学科
ちなみに下記のサイトを運営しています。高専生向けの情報を発信していますのご覧ください。
〜東工大を志望した理由〜
八戸高専では東北大学への進学を推す傾向にあります。私はその事に疑念を持っていました。どうせ東北大学を目指すくらいなら東工大を第一志望にしておけば、のちに東北大に切り替える事もできると考え、より高い大学を目指そうと考えていました。また、3年次編入が可能な大学の中でも一番レベルが高いと感じたため、なんとか頑張って受験してみようと決意しました。もちろん研究内容も魅力的でしたが、それについてはここでは述べないことにします。
各学年での順位とスペック
1年: 3位
2年: 1位
3年: 2位
4年: 3位
5年: 17位 (前期)
英検2級(3年次の秋)
TOEIC 695(4年1月)
以上です。勉強方法や使用した参考書の紹介、実際の受験の様子については追って更新します。